海外でのクライミング、登山、トレッキングレポート
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海外トレッキング2011 ツールドモンブランとシャモニトレッキング用語の説明
「ツール・ド・モンブラン(TMB)」トレッキング記録の要約(YFメンバー 稲垣 隆) まさかモンブランの地に自分が立っていようとは…(YFメンバー 伊藤 寿和子) ツールドモンブランとシャモニトレッキング報告(YFサポーター 鈴木佐智子)
「ツール・ド・モンブラン(TMB)」トレッキング記録の要約 今回のトレッキングは、YFクラブで企画されたイベントであり、7日間でTMBトレールの半周(3泊4日の長いトレッキング)と、
シャモニ市街から簡単にアクセスできる展望台数ケ所とそれらからの短いトレール(日帰りのトレッキング3行)を歩こうというものである。
今回のTMBの目的を自分なりに、2つ掲げてみた。一つはTMBトレッキングを楽しみ、ヨーロッパアルプスとはどんな山かをしっかりと見て来ること、
二つ目には少しでも多くの人との出合いを楽しんでみたいと言うことである。だから、その準備の中にはフランス語を毎日1時間勉強することも含めるという力の入れ様であった。
短いものの最初は、20日に行ったもので、シャモニ市街からテレキャビン(ゴンドラ)にて、エギュードミディ展望台(3,842m)に登り、プランドラギュー(2,299m))にゴンドラで戻り、
そこから約3時間のトレッキングでグレース氷河(モンテンベール駅 1,950m)に到着し、これを見物の後、モンテンベール鉄道でシャモニに日帰りするものである。
展望台では、喜色満面の多くの観光客に交じり、幾組かの本格的なクライマー達が、これからの厳しい挑戦に、緊張の面持ちで静かに重装備の点検や俯瞰(ふかん)するルートの確認等をしているのが印象的であった。
フランス・イタリアはもとより、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリヤ・日本等色々な国からのトレッカーも多い。
中には家族ずれで、場所によっては小さな子供まで一緒に歩いている。日本同様にソロのトレッカーも勿論多く見られた。
またトレイル・ランニングの人達やトレイル・サイクリングの人達にも出合うことが結構多かった。(弓を背負って追い越して行った若い女性がいたが、あの人は何だ??)
そして、皆すれ違いざまに、「ボンジュール!」と声を掛けあう。時には向こうから、「こんにちは!」などと日本語の挨拶をされたりして、慌てて、「ボン・・・さよなら」と応答する場面もあった。
山小屋ではウナギの寝床は日本と同様であるが、水洗トイレでシャワー付き、洗濯・ゴミ捨て自由(ゴミ缶完備)というのは有難い。
車が小屋までアクセスでき、小屋にゴミ缶が完備されているためか、あるいはマナーがいいのか、トレッキングトレール上にゴミが捨てられているのをついぞ見かけなかった。
最も長い三泊四日のトレッキングでのデータとしては、多少の誤差はあるとして、全行程の所要時間が約18時間、休憩時間が約4時間/15回(これは昼食時間を含めて)で、概ね1時間平均12分間位の休憩という勘定だ。
ゆったり休みながらのトレッキングであったことが分かる。
あっという間の10日間ではあったが、短い体験から当初の2つの目的を振り返ってみると、ヨーロッパアルプスの山を見ること・楽しむことは十分に堪能できた様に思う。
また同時に出合いについても、多くの人達と接することが出来たし、また小屋を初め、花や動物や食物など山以外の風物との出合いも多く、十分満足しているところである。
まさかモンブランの地に自分が立っていようとは… 私は約1年半前に登山を始めました。ザックとレインウェアだけを購入し、靴は借り物、服は普段着で登り始めました。どの山なら自分の体力で登れるかもよくわからなかったので、
YFサポーターに自分のレベルに合った山を聞いてYFイベントに毎月参加していました。
そんなある時いつものようにYFイベントに参加していたら、YFサポーターからツールドモンブランのイベントの話を聞きました。
TVと写真くらいでしか見たことのないモンブランを実際この目で見たいという気持ちはあったものの、参加するにはためらいがありました。
テント泊でも最大2泊しかしたことがない私が、ツールドモンブランと、シャモニトレッキングと合わせて7日間連続して歩けるのかと。
そういう不安を伝えたところ、いつも通り毎月イベントに参加して鍛えたらいいと言ってもらったので、それなら自分にもできるかもと思い、このイベントに参加することに決めました。
1年前の私はモンブランなんておろか、テント泊でもハードルが高いと感じていました。
それなのに、10日間のこのイベントに参加し、何泊も山の中で過ごし、7日間も歩き、一緒に行った方々の足を引っ張ることなく、無事帰ってくることができました。
これも、初心者の時から、登山の歩き方や、道具の揃え方を教えてくれたYFサポーター鈴木さんのおかげです。ありがとうございました。
2011年 海外トレッキング ツールドモンブランとシャモニトレッキング報告雪をまとった4,000m級のモンブラン山群、そこから流れ落ちる氷河、険しい氷壁、鋭く尖った針峰群。
天候が安定する7月中旬のヨーロッパアルプスでは、当たり前のようにこんな景色が見られるものと
誰もが思っていた。
2011年7月18日 晴れ成田空港 ⇒ ドバイ空港(経由地)
2011年7月19日 雨ドバイ空港 ⇒ ジュネーブ空港 ⇒ シャモニ ホテル泊
2011年7月20日 【シャモニトレッキング1日目】 曇り 山間部は雪⇒曇りシャモニ(1,036m)<ロープウェイとエレベーター> ⇒ エギュイ・デュ・ミディ(3,842m)<ロープウェイ> ⇒ プランドレギーユ(2,317m)<徒歩> ⇒ モンタンベール(1,913m) ⇒ 氷の洞窟<テレキャビンと徒歩> ⇒ モンタンベール<鉄道>⇒ シャモニ(1,036m) ホテル泊 時差 (−7時間差)のおかげで、早朝から目覚めはばっちり。時差ボケ解消と足慣らしにと、早速、展望台へ出発! 本日は、山間部ではなんと降雪中。視界が無いのは承知で、この日一番(朝9時)のロープウェイに乗車し、 わずか20数分後には、富士山より高い展望台へ到着していた。 もちろん凍てつく展望台からは、そこに有るはずの山々は見えなかったが、快晴日のリベンジを誓って下山した。
正午前、途中駅プランドレギーユでロープウェイを下車し、モンタンベールまでトレッキングをする。 時折見える雪壁や谷間の町、咲き乱れる高山植物に感激しつつ下るコースはいい足慣らしになった。 メール・ド・グラス氷河と氷河をくり抜いた氷の洞窟を散策。何百万年も前の水滴が頭に肩に落ちてくる。 トレッキング中、アルプス三大北壁の一つグランドジョラス(4,208m)、ドリュ針峰(3,754m)が一瞬、その姿を現した。
2011年7月21日 【TMB1日目】 雨⇒曇り⇒晴れシャモニ(1,036m)<車> ⇒ ゴルジュ(1,210m) ⇒ バルム小屋(1,706m)泊 今日は、4日間の縦走、ツールドモンブランの初日。レインウエアを着ての出発となった。 ノートル・ダム・ドゥ・ラ・ゴルジュ教会脇の橋を渡り、氷河が削ったスラブ状の石畳からスタートする。 はやる気持ちを抑え、息が上がらぬペースでゆっくりと登り始めた。
カウベルが鳴り響く牧草地に近づく頃には、雨は完全に上がっていた。明日、歩く予定のルートを見上げて みると、降雪直後の山景が広がっている。美しい。今年の峠は残雪が少ないと聞いて一安心していたが、 不安定な天候は、7月になっても雪を降らせたのだ。明日、見舞われるかもしれないガスや降雪に備えて、 メンバーの一人一人が大きな地図を広げ、今後のルートを確認する。
2011年7月22日 【TMB2日目】 曇り⇒晴れバルム小屋(1,706m)⇒ ボンノムのコル(2,329m)⇒ クロワ・デュ・ボンノム(2,479m)⇒ フォー峠(2,665m) ⇒ グラシエ村(1,789m)⇒ モッテ小屋(1,870m)泊 朝、目覚めれば、雪は降っていない。視界も良好、今日は、乾いた体で歩けそうだ。 清流沿いを軽快に登り、徐々に標高を稼いでいく。大休止したボンノムコルの避難小屋が小さくなる頃、そういえば、 「切れ落ちている岩場があるから気をつけて」と聞いたことを思い出したが、それはいったいどこだったのだろう? 快適な登りが続いた。
クロワ・ドゥ・ボンノムのケルンから先は、雲間から時折見える景色を堪能しながら、残雪にステップを刻んだ。 しばらく登りが続く。この辺で少し休みたいな、と思う頃、目指していたフォー峠に到着した。
フォー峠から先は、標高差約900mを一気に下るので、目の前の景色は、歩くにつれ、次々と変化していく。 岩が露出した残雪から始まり、雪を抱いた峰々が頭上に来た頃、数百メートルに渡るなだらかな滝が現れる。 湿地帯や高山植物の草原を抜けて、牛の放牧地帯を下ると、今晩泊まるモッテ小屋があるグラシエ村まではあと少しだ。 冬の終わりから春までを歩いたようだった。
2011年7月23日 【TMB3日目】 雨⇒みぞれ⇒晴れ⇒雨⇒雪モッテ小屋(1,870m)⇒ セイニュのコル(2,516m)⇒ ラ・カセルメッタ小屋(2,365m)⇒ エリザベッタ小屋(2,195m)泊 今日はいよいよ国境越えの日。目覚めれば、生憎の雨。セイニュのコル(フランスとイタリア国境)は グラシエ針峰やモンブランの絶好の眺望ポイントなのだが、果たして、その姿を眺めることは出来るだろうか・・・・。
セイニュのコルに到着したときの天候は、まだ雨。冷たい風も吹いていた。 地続きの国境をまたぐという経験は、もちろん日本では味わえないこと。しっかりポーズを作って記念撮影。 イタリアに入って初めて訪れる山小屋(ラ・カセルメッタ小屋)には資料館があった。
本日の宿泊地、エリザベッタ小屋に到着した。そのころには青空が広がり、散策に出掛けるには時間も充分あったが、毎日元気なメンバーも、少々お疲れ気味。 明日最終日を迎えるTMBの後にも、2日間のシャモニトレッキングが控えている。長期戦を考えると、ここは少し休んだ方が良さそうだ。濡れた装備を乾かし、シャワーや昼寝で有意義な充電時間を過ごすことにした。
2011年7月24日 【TMB4日目】 雪⇒曇り⇒晴れエリザベッタ小屋(2,195m)⇒ コンパル湿原(1,970m)⇒ シェクルイのコル(1,956m)⇒ ドロンネ(1,210m)<ゴンドラ> ⇒ クールマイユール(1,223m)⇒ シャモニ(1,036m)ホテル泊 目覚めると、7月も後半だと言うのに雪が降っていた。 珍しい夏の雪を見て、メンバーたちはいそいそと「冬山支度」をしている。
コンパル湿原を抜け、ミアージュ氷河やモンブラン山群が目の前に見えるはずのビューポイントに着く頃には、 上空の雲間から青空が、ちらっと覗くほどに天気は回復していた。しばらく待っていたが、山の頂を覆った雲は動きそうにない。 諦めてモンブランを背に下り始めたその時、「あ〜〜っ」とメンバーが奇声を発した。 何事かと振り替えると、モンブランがその山頂だけを出していた。わずか数秒の出来事だったが、 感動の対面だった。「またおいで、続きは次回に・・って言っているみたいだね」と誰かが言った。
最後はドロンネからクールマイユール(イタリア)の町へゴンドラで下り、4日間のTMBが無事終了した。 空腹の中たどり着いた本場イタリアンレストランは、私達のお腹を充分満たしてくれた。そして、心はもちろんTMBで満腹。
2011年7月25日 【シャモニトレッキング2日目】 晴れ⇒曇りシャモニ(1,036m)<ロープウェイとエレベーター> ⇒ エギュイ・デュ・ミディ(3,842m) <ロープウェイ> ⇒ シャモニ(1,036m) <ロープウェイ> ⇒ プランプラ(1,999m)<テレキャビン> ⇒ ブレヴァン(2,525m)⇒ シャモニ(1,036m)ホテル泊 山小屋生活から町に戻って一夜明けると、透き通るような快晴の空。 今日を逃して20日のリベンジは成るものか、とばかりに、再びエギュイドゥミディの展望台に向かった。 朝一番のロープウェイ車内は、登山やトレーニングへ向かう精悍な登山者たちで大賑わいだった。 高速エレベーターを経て展望台に到着すると、モンブランや針峰群、遥か遠くにマッターホルンまで、大パノラマが広がっていた。
大展望を心ゆくまで堪能した後は、余韻を引きずりつつも、ブレヴァンへ向かった。 先ほど登った山の対岸にあるミディ針峰やボソン氷河、モンブランの絶景は勿論のこと、ここでも岩壁の至るところに 張り付いているロッククライマーを見ることができる。針峰群をバックに浮遊するパラグライダーは絵になる光景だった。
2011年7月26日 【シャモニトレッキング3日目】 晴れ⇒曇りシャモニ(1,036m)<バス> ⇒ レ・プラ <ゴンドラ> ⇒ フレジェール(1,894m)<リフト> ⇒ ランデックス(2,385m) ⇒ ラックブラン(2,353m) ⇒フレジェール(1,894m)<ゴンドラ> ⇒レ・プラ<バス>⇒ シャモニ(1,036m)ホテル泊 バスでレ・プラの村へ移動し、今日は、雲上の湖ラックブランへ出かける。 前方にヴェルト、ドリュ、グランドジョラス、ダンデュジェアン、モンブランが聳える、素晴らしい展望のトレイルだった。 昨日に引き続き天候も申し分なく、最終日を飾るには相応しいトレッキングとなった。
2011年7月27日ジュネーブ空港 ⇒ ドバイ空港(経由地)
2011年7月28日ドバイ空港 ⇒ 成田空港
氷河の山、ヨーロッパアルプスのトレイルは、よく整備され、歩きやすかったが、標高2,000〜2,500m弱といえども、時に厳しい表情を見せる偉大な山容だった。
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